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前十字靭帯損傷

定義と原因
膝前十字靭帯とは膝関節の中にある靭帯で、運動する時などに膝を安定させる役目をしています。また、略語としてACL(エーシーエル)とも呼ばれます。
膝前十字靭帯損傷は主にスポーツをしている人に発生することが多く、特にサッカーやバスケットボールなどジャンプからの着地、急な方向転換を伴うスポーツに多く見られます。
靭帯箇所
主な症状
ACLが断裂する(B)と前方不安定性が生じ、膝くずれなどの症状が出やすく以下の症状があります。

損傷後図解
・怪我をした瞬間には、何かブチッと切れたような音や、膝が突然はずれたといった感覚を生じたりします。

・しばらくすると(数時間~数日)、関節内に徐々に血がたまり、膝全体が腫れて痛みを伴うようになります。損傷による出血が少ない場合には、半月板損傷や軟骨損傷、他の靱帯損傷が合併していなければ、多少の腫れは伴いますが強い痛みを感じることはほとんどありません。

・怪我をしてしばらくすると、膝の腫れも次第におさまり痛みも軽減しますが、膝をひねったり、急に止まろうとしたりする時に、膝くずれなどの不安感(膝が抜ける、膝がはずれる)を感じるようになります。
・半月板や関節軟骨の損傷を合併していると痛みやひっかかり感を伴うことがあり、断裂した半月板がロッキング(断裂した半月板が関節に挟まる)している場合には膝がまっすぐに伸ばせないなどの症状も伴います。
診断と治療
膝前十字靭帯損傷の診断は、医師の診察による不安定性テストとMRI検査などにより行われます。

・怪我をして間もない時期には、痛みや腫れにより充分な身体所見がとれず、診察を受けても明らかに診断されない場合があります。
・MRI検査は膝前十字靭帯損傷の診断に有用で、靭帯だけでなく、半月板、骨、軟骨などの他の組織も同時に評価することができます。

膝前十字靭帯損傷の治療について、損傷した靭帯を縫合しても安定した成功率を得ることが難しく、安定した膝関節機能の再獲得には靭帯再建術が必要となります。
関節内血種と断裂したACL

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