糖尿病とは
生活習慣病の一つで年々患者数が増加しています。血糖を下げるインスリンというホルモンの分泌が悪くなる、または効きが悪くなることで血糖が上昇し引き起こされます。糖尿病に一度なってしまうと現代の医学でも治すことはできませんが、血糖値を正常レベルに保つことで合併症を予防しコントロールできます。
糖尿病の病期と原因
糖尿病は大きく以下の4つに分類されます。
- 1型糖尿病
- 2型糖尿病
- その他の糖尿病
- 妊娠糖尿病
それぞれ原因は異なりますが、現代の医学でもまだまだ解明されていないことが多いのが実情です。中でも1番多い2型 糖尿病についてお話すると、遺伝的に糖尿病になりやすい体質の人が、糖尿病になりやすいような生活習慣を送ることで発 症するとされています。
代表的な合併症
糖尿病になりたてですぐに日常生活に困るような症状は出現しません。困る症状がないのになぜ治療をしなくてはならないのかというと、長い年月をかけて合併症が進行してしまうからです。高血糖は動脈硬化を引き起こし、その動脈硬化が進行することで以下のように代表する様々な合併症が現れます。
- 網膜症
- 腎症
- 神経障害
- 心筋梗塞、狭心症
- 脳卒中
- 閉塞性動脈硬化症
糖尿病になれば必ず合併症を引き起こすわけではありません。適切な治療を継続することで合併症を予防することができます。
糖尿病の治療
まず糖尿病の治療法を把握しておく必要があります。現在、糖尿病の基本的な治療法には、大きく分けて3つの治療法があります。
食事療法
食事療法は、どのような治療をされている方も行わなければならない治療の基本です。
①適正な栄養量を過不足なく摂りましょう。ゆっくりとよく噛んで、腹八分目がポイントです。
②必要な栄養素をバランスよく摂りましょう。
エネルギー量だけを意識せず、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維を過不足なく摂取しましょう。
また、食物繊維は小腸での糖吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を抑えるので、食事の始めに摂ると良いでしょう。
主食、主菜、副菜を揃えた食事を意識しましょう。
③1日3食規則正しく食べる。
食事を抜くことや、まとめ食いはせず、1日3食を決まった時間に摂りましょう。
食事は楽しみのひとつです。良好な血糖コントロールが保てる理想的な食生活を身につけましょう。
運動療法
運動療法の3本柱とは…
- 1ストレッチ(体操)
- 2有酸素運動
- 3レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)
当院では個々の症状や合併症、生活スタイルなどから患者様1人1人に合わせた運動を提供させて頂きます。入院中は自主トレーニング表を作成するとともに、リハビリにて自転車エルゴメーターやニューステップ、トレッドミルを使用し有酸素運動、レジスタンス運動を行っていきます。また、活動量計を使用し、運動量を評価しながら個々にあった適切な運動を指導していきます。退院後に運動を継続することが難しい場合でも、外来リハビリで経過をみていくことも可能です。正しい運動方法を学び、一緒に楽しく汗を流しましょう。
薬物療法
糖尿病に対するお薬での治療には大きく分けて注射薬と経口薬があります。更に経口薬は大きく分けて7種類に分類することができます。
- SU薬:インスリン分泌を促すお薬
- グリニド薬:インスリン分泌を促すお薬
- ビグアナイド薬:インスリン作用を強めるお薬
- チアゾリジン薬:インスリン作用を強めるお薬
- α-GI薬:糖質の吸収を遅らせるお薬
- DPP-4阻害薬:インスリン分泌を促すお薬
- SGLT2阻害薬:過剰な糖を排泄させるお薬
この中からその患者さんにあったお薬を処方し、血糖値のコントロールを図っていきます。注射薬と一緒に使うこともあります。糖尿病のお薬を使う上では低血糖症状などの副作用に注意が必要になります。