成人期・小児期扁平足
成人期扁平足
- 定義と原因
- 原因として多いのは、下腿後方から足関節内側を通り足部に付着する後脛骨筋腱が変性・断裂してアーチ構造が破綻する後脛骨筋腱機能不全です。
それに加え、ばね靭帯(底側踵舟靭帯)や足関節三角靭帯の障害によっても足部アーチ構造が破綻し症状が出現します。他に、足部・足関節部の変形性関節症、関節リウマチ、骨折・脱臼などの外傷後、などなども原因となります。
- 主な症状
- 足部のアーチが破綻し、足・足関節内側や外側部の痛みが出ます。 扁平足に伴う足部変形が強くなれば、痛みを伴う胼胝が出てきます。また、症状が悪化すると足関節の柔軟性が失われ、歩行障害や姿勢が悪くなって頭痛や腰痛などを引き起こすこともあり、全身に影響を与える可能性があります。
- 診断と治療
- まず保存療法を行い保存治療で無効な場合、すでに足部周囲の関節変性が著明な場合は手術治療を検討します。
踵骨が外側に向いてアーチが破綻している場合、骨切りを行って地面に接している骨部分を内側に移動させます。
破綻した後脛骨筋腱へ、隣を通っている長趾屈筋腱を腱移行させ、その機能を補うようにさせます。
扁平足変形によって足アーチが破綻し、全体の配列は足部内側が長く、外側が短くなります。
それを矯正する手術です。
病態によって上記を組み合わせて手術を行います。
小児期扁平足
病態としては、明確な原因のないものと明確な原因のあるものとに大きく別れます。
・主にオーバーユース(使い過ぎ)による症状が出ます。
・運動制限、投薬、装具療法などで対応は十分です。
・関節リウマチ、骨折・脱臼などの外傷後、なども原因となります。
・先天的な病態が原因のことが多く、これも装具療法がまず行われますが、手術となることも多いです。