咳・くしゃみ・ジャンプ・重い物を持ち上げるなど、おなかに力が入ったときに尿が漏れてしまうタイプの尿失禁(腹圧性尿失禁)が手術の適応となります。尿道周囲の支持構造が緩んでいることが失禁の原因であるため、ポリプロピレン素材でできたメッシュ状のテープを尿道の裏側に通し尿道の支持構造を再構築して、おなかに力が入った時の尿もれをくい止めます。80%以上の方に治療効果が期待できます。
テープの端をどこに通すかによって2種類の術式(TVT手術/TOT手術)がありますが、尿漏れの程度や患者さんの希望・年齢・既往歴・合併症・画像検査などを考慮して術式を判断いたします。恥骨上あるいは足のつけ根の皮膚に5mmほどの切開が2ヶ所必要ですが、小さな傷であり皮膚を縫う必要はなく抜糸の必要もありません。
TOT手術(左)・TVT手術(右)
手術の流れ
手術の希望がある場合には、外来にて術前検査を行い手術日程の相談をさせていただきます。手術の前日に入院していただき、経過順調であれば術後1~3日目の退院を予定しています。術前後に排尿状態のチェックも行います。術後約1か月間は重いものを持ったり、踏ん張ったり、激しい運動などのお腹に強い力を入れることを控えていただく必要があります。