膀胱が過敏になっており、尿が十分に貯まっていないうちに尿意切迫感(急に起こる抑えきれないほどの強い尿意)がみられる状態をいいます。その結果、頻尿になったりトイレまで間に合わず尿が漏れたりします。通常の尿意は尿が膀胱に貯まるにつれて少しずつ強くなっていきますし我慢することもできるので、尿意切迫感がある状態は正常ではありません。
脳や脊髄といった中枢神経の障害が原因でおこるもの(神経因性)、男性の前立腺肥大による尿道閉塞や女性の骨盤底筋障害などが原因でおこるもの(非神経因性)がありますが、原因不明のものがもっとも多いとされています。
40歳以上の男性の7人に1人が、女性では10人に1人が尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁といった過活動膀胱の症状を経験しています。
あなたの症状をチェックしてみましょう!
下の症状はどのくらいの頻度でありましたか?この1週間の状態にもっとも近いものを、ひとつだけ選んで、点数の数字を○で囲んでください。
膀胱炎、多尿、排尿障害、膀胱腫瘍などでも尿意切迫感がみられる場合があるため、これらを確認するために主に以下の検査を行います。
血尿、炎症、腫瘍細胞の有無などをチェックします。
排尿障害による残尿の有無をチェックします。専用機器を下腹にあてるだけで残尿量がわかります。
膀胱や腎臓の結石や腫瘍の有無などをチェックします。
排尿時刻、排尿量、尿意の強さを記録することで、日常の詳細な排尿状態をチェックします。
内服薬で過敏になった膀胱を和らげる薬物療法や、少しずつ尿意を我慢(膀胱訓練)したり骨盤底の筋肉をきたえたり(骨盤底筋体操)する行動療法などがありますが、薬物療法を行うことが一般的です。男性の場合は、前立腺肥大症が原因で過活動膀胱の症状がみられる場合があり、その場合は前立腺肥大症の治療を行います。