健康診断の血糖検査でC判定、D判定の方へ
2014年の厚生労働省の調査では、糖尿病の総患者数は316万人超に増加し過去最高となっております。当外来では、糖尿病を発症する危険性が高いいわゆる「予備軍」であっても、動脈硬化が進行して心筋梗塞や脳梗塞に至ってしまうケースは比較的多いことがわかっております。積極的に当外来の受診をお勧めします。
C判定の方
糖尿病の可能性が否定できません。内科外来を受診し、ブドウ糖負荷試験という糖尿病診断の精密検査を受ける事をお勧めします。また、仮に糖尿病でなくいわゆる境界型であっても、特に食後の血糖値が高い方は、心筋梗塞、脳梗塞の大きなリスクであると言われています。高血圧、脂質異常症を合併するとよりそれら動脈硬化性疾患のリスクが跳ね上がります。境界型だからといって安心せずに、日々の生活改善に取り組むとともに、糖尿病予防のために外来受診をお勧めします。
D判定の方
糖尿病が強く疑われます。放置しておくと5年足らずで糖尿病に特有の合併症が出現してきます。早期に内科を受診し、医師の指示に従い治療を開始し、定期的な外来通院をしてください。
糖尿病の自覚症状
糖尿病は、自覚症状が現れにくく、気づかないうちに進行してまい、合併症を引き起こしてしまうことが多く見られますが、
- □尿の量が多い
- □ノドが乾く
- □体がだるい
- □食事を十分に摂っているのに体重が減る
- □血圧が高い
- □中性脂肪が高い
- □肥満気味
- □家族に糖尿病の方がいる(血縁関係の父母、兄弟祖父母)
- □食べすぎ、飲みすぎ、食生活のバランスの悪い
こういった方は糖尿病のおそれがありますので、早めの検査をお勧めしております。
糖尿病は、がんより怖い病気?!
一般的に糖尿病は、初期の段階では症状があまりない病気です。その一方で、知らない間にさまざまな合併症が進んでしまい、気が付いた時にはかなりひどい状態になっているということがあります。そういう面ではがんより怖い病気なのかもしれませんが、糖尿病という病気と正しく向き合いきちんと治療を続けてさえいれば、重い合併症を患うことはまずありません。しかし残念ながら現代の医学をもってしても完治することの出来ない病気ですので、一生付き合っていかなくてはいけません。糖尿病と仲良く付き合っていくために当外来では、以下のようにサポートしていきたいと思っています。
1. 早期治療、定期通院をお勧めします。
糖尿病は自覚症状がない病気ですので、定期的な健診などで糖尿病を早期にみつけ、早く治療にとりかかることが非常に大事です。
2. 個々にあった治療を考えます。
最近は優れた新薬が発売され、治療の選択肢が増えてきました。患者さん個々に合わせた最適な治療を一緒に考えていきたいと思います。
3. 「一病息災」を目指しましょう。
血糖値を良い状態にコントロールし、合併症の発症や進行を防いでいる限りにおいて、糖尿病は良きパートナーにもなり得ます。糖尿病と仲良くつき合いながら、生活習慣を改善し、他の病気を予防していきましょう。
では、外来でお会いしましょう!