メディカルトピアの下肢静脈瘤手術
下肢静脈瘤はすべての方が必ずしも治療が必要というわけではありません。下肢静脈瘤は良性の病気であり、放置しておいても血栓の心配はなく、全身への影響はありません。下肢静脈瘤の治療が必要な場合は1)外見が気になるか、2)症状があって、つらい、3)皮膚炎をおこしている、場合にかぎります。逆に言えば見た目が気にならず、症状や皮膚炎がなければ治療は必要ありません。ただ両足に下肢静脈瘤のある方は足のだるさに気付かない方がとても多いです。片足治療されてこんなにも足が軽かったのかと喜ばれる方も多いです。また治療をすると弾性ストッキングを履いたり、足を高くして寝たりする努力も必要ありません。若い方で、立ち仕事の方は、現在、症状がなくても、将来必ず悪くなりますので、治療が必要な場合があります。
下肢静脈瘤の治療法には弾性ストッキングを使う圧迫療法、注射で静脈を固める硬化療法、そして手術の3つがあります。現在はレーザーで静脈を焼く血管内レーザー治療が主流です。レーザー治療は2011年にすでに保険適用となっていますが、使用できるレーザー装置は波長980nmレーザーのみでした。以前のストリッピング手術(血管を引き抜く手術)に比べ、レーザー治療は局所麻酔で日帰りもしくは1泊2日で治療ができ、痛みが少ないという長所を持っています。しかし、従来の保険適用レーザーでは一部の方に痛みがでたり、治療した太ももに皮下出血がおこることが問題となっていました。2014年に新しい下肢静脈瘤の治療が保険適用となりました。波長1470nmレーザーによるレーザー治療です。従来の保険レーザーと較べて治療後の痛みや皮下出血が非常に少なくなっています。当院では最新の波長1470nmレーザーを使用しております。
実は、患者さんが気にしている足のコブはレーザー治療のみでは完全になくすことはできません。スタブ・アバルジョン法(Stab avulsion)は、針穴から特殊な器具を使って静脈瘤を切除する方法です。傷が小さいため縫う必要がなく、跡が残りません。レーザー手術とこの方法を組み合わせることによって、初めて静脈瘤をきれいに治療することができます。