消化管の異物とは、本来消化管内にないものが停滞している状態です。自然に排出されるものも多いのですが、中には重大な合併症を起こすものがあります。
異物が通過したり刺入することにより消化管の粘膜を傷つけたり、潰瘍を作ることがあります。また消化管の壁をこえて穿孔してしまうと、腸管穿孔をおこし、強い感染症や、大きな穴などができてしまうことがあります。
内視鏡の検査で処置できるのは十二指腸までになりますので十二指腸をこえて小腸の奥に流れてしまう前に早急に内視鏡を行い、異物摘出を行う必要があります。
成人は誤嚥したという訴えで病院に来られるので早めの対応ができることがありますが、理解力が乏しくなったご高齢の方や症状を訴えることができない小児では誤嚥に関しては発見が遅れることがありますので特に注意が必要です。病態が悪化する前に、誤嚥したかどうかが心配な方でも相談してください。異物の内容によっても対応が異なりますが、X線で確認後必要ならばすぐに緊急の内視鏡を行い除去致します。
緊急で摘出が必要な鋭利な物の例:内服薬の包装(PTP)、魚骨、針、義歯など
毒性が高いものの例 :アルカリボタン電池など