こんにちは、副院長の藤岡です。
みなさんは「麻酔科医」の存在をご存知でしょうか。よく知らない、という方も多いのではないでしょうか。外科医の華やかな活躍を支える地味な仕事ですが、「縁の下の力持ち」として、なくてはならない存在です。私は高い誇りと喜びをもって毎日この仕事をがんばっています。
麻酔科医は手術中ずっと患者さんのおそばにいて、主にふたつのことを行っています。
ひとつめは、患者さんが苦痛を感じない「麻酔状態」を作り出し、それを手術中ずっと保つことです。私たちはさまざまな薬品や器具を使いこなして、安全かつ速やかに麻酔をスタートします。手術中は持続的に麻酔薬を流していますので、途中で目が覚めたり痛みを感じることはありません。
ふたつめは、手術中の患者さんの安全をお守りすることです。手術中は航空機のコックピットさながら、たくさんのモニター機器を使って患者さんの全身の状態を見守っています。集中力を保ち、少しの異変も見逃さずに、必要があればただちに治療を開始します。この20年で手術の安全性は飛躍的に向上しましたが、その多くをこうしたモニター機器の進歩と麻酔科専門医の存在によっています。
安全性だけでなく、手術後の快適性も劇的に向上しています。手術終了とともにさわやかにお目覚めになった患者さんの「ああ、気持ちよく眠りました。ほんとに手術したんですか」というお言葉に、私たちは深い満足感を覚えます。手術翌日には「全く痛くないわ。すごく楽で助かりました」などと言っていただくこともよくあります。
外科医と麻酔科医だけでなく、看護師、臨床工学技師、薬剤師など多くの職種が協力しあって、質の高い手術が完成します。「手術室のMC(司会者)」として、いつもチーム全体に目を配り、手術を安全かつスムーズに進行させるのも麻酔科医の腕です。そんな楽しい仕事を選んだことに、満足と感謝の日々です。
「手術室のMC(司会者)」とは、なかなか名言!
かんがえましたね。
長瀬先生、ありがとうございます。
先生がいつもポジティブにチームを活性化するお姿を見て、研修医時代から考えていました。教える側になってからは、常に若い人たちに伝えてきました。