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月別アーカイブ: 12月 2015
サイクリング始めました。
医療情報管理課の吉田です。 43歳を過ぎたあたりから急に高血圧に罹患(その前から脂肪肝を指摘)、さらに今年の職員健診で高コレステロールを指摘され、とうとう薬剤投与を受けることと相成りました。 このままではますます薬の量が増えてしまうのではないか?何かしないとまずい!と考えました。春と秋はハイキングをやっている。夏にも何かやりたいな。水泳は?泳げない。夏のハイキングやマラソンは自殺行為。ジムは経済的理由でボツ。消去法でサイクリングが残り、ボロボロの自転車でまず自宅から東松山の森林公園(約片道33km)まで行ってみることにしました。 行きは森林公園付近を除いては快調(森林公園付近は気がつきにくい程度のゆるやかな登り。帰路にいやに楽な為、気づく)でしたが、帰り道の中程から臀部痛との戦いが始まりました。何とか帰宅して体重計に乗ったら1kgちょい減っていました。 これを励みに夏のサイクリングを続けました。ただ走っているだけではつまらない(暑さがはんぱじゃない)ので、ご褒美に途中大盛りランチを食べられるお店までのサイクリングプランで続けました。量の多さを誤って気持ち悪くなることもありましたが、いい思い出として、また自分の胃袋の年齢を知ることもできました。現在は70km乗っても臀部痛はなくなりました。 そして先日採血したところ、コレステロールだけでなく肝機能も改善していました。自分にとってはいいことずくめのサイクリングでした。これからの季節は北風に負けてしまいますので、ウォーキングや低山歩きをして体力維持、健康管理をしていきたいと思います。
患者さんの目線で
こんにちは。放射線技術科の海老原です。 今日はネットで見た記事についてお話ししたいと思います。 怪談家の稲川淳二さんは冬には一体何をしているのか、本人に聞いてみたという内容でした。心霊スポット探訪して怪談のネタ探ししたり、もともとの仕事である工業デザイナーとしてコンペの審査員などをしているそうです。 工業デザイナーとしての稲川さんは人の作品をけなすことが一番つらいそうですが、あの新国立競技場については怒っているそうです。競技場全体のスケッチは素晴らしいけれど、空から見たものばかり。競技場を誰が空からみるのか?競技場は下から見上げるものですよと話されていました。 すごく当たり前のことですが、なるほど!と思いました。実際に使う人の目線を考えないと、相手に喜んでもらえるようないい物はできないですね。医療でも同じことが言えそうです。私たちも常に患者さんの目線に立って、日々の仕事をしていくことが大切だと思いました。
獏之浪語(12)「むかついた!と思ったら」
久保田事務長から紹介がありました、「最新医療でがんに挑む名医15人」のひとりに選ばれた人間とは裏腹な話です。今日は自分がいかに不完全で感情に流される人間かということを吐露します。 まず今日の英語ですが、「aware」です。アウェア。あまり知らないですかね。きづくっていう意味です。たとえば、「きみが悲しいって気づいてるよ」は「I am aware that you are sad」です。またあとで登場しますからね。Aware. さて、今日は誰と目が合うかな~。あ。花ちゃん(医療連携課の花田さん)。よろしくね。え~、花ちゃんの知らないおっさんを私が連れてきたとします。二人を前に私がこう言います。「おっさん、ここに千円札10枚あります。好きなように分配して、花ちゃんと分けてください。おっさん9枚、花ちゃん1枚でもいいですし、おっさん3枚、花ちゃん7枚でもいいですよ。ただし花ちゃんはその分配方法に対してOKといって受け取ってもいいし、Noと言ってもいい。花ちゃんがNoと言った場合は、この分配はチャラになって10枚とも私にもどさなきゃいけない。。。。。さあ、花ちゃん、ここでもしおっさんが9枚、花ちゃん1枚やって言ったらどうしますか。受け取りますか、それともNo?」 花ちゃん、ちょっと考えて「そんな不公平なの嫌です。受け取りません。Noです。」(みんな自分だったらどうしようかって考えてる感じで、ざわざわ) 花ちゃん、ありがとう。そうですよね。ずるいですよね。おっさん、自分だけ9枚もらうなんて。カーネマンという心理学者の実験なんですが、この実験を受けたほとんどの人が不公平感を抱いて、「No」って言うんだそうです。でもね、帰り道で冷静になって考えてみると、ただで1000円もらえたチャンスを失ってしまったことに気付くんですね。つまりカーネマンは、人間はみな感情によって冷静な判断ができなくなってしまい、間違った選択をしてしまう可能性があるってことを証明したのです。彼はこのような心理学分析を多く行って2002年にノーベル賞をもらいました。 私の話ですが、こないだ若い外科医の手術トレーニングコースに行ってきました。いくつかのグループに分かれて実験内視鏡手術を行うのですが、朝から雨降って嫌な天気で、しかも疲れた体で休みの日、一日潰れるの嫌だな~と思いながらの参加でした。最初からあまりいい感じじゃなかったんですね。で、ひとつのチームがですね、私のアドバイスをちっとも聞かないんですよ。「あの…そこは鉗子をもっと左側に展開して、、、、」と言おうとしても、「あ~はいはい。さっき左側にやったけど、きついんで、このままでいいです。」とか。かぶせてきて、聞く耳を持たない。私はむかっときて「もうこんなチーム教えてやるもんか」と思いました。そしてほかのチームばかりを教えることにしたのです。一日そうやって働いて、帰りの電車の中で、実は私は落ち込み始めました。 若手外科医の指導はとても大事なこと。自分が教えてもらったことや長年やってきた経験を彼らにわかりやすく解説して、わたしより短い時間で習得してもらう。こんなにやりがいのあることはない。私はそうやって多くの人に宣言し、その教育の姿勢をみんなから評価されてきたのに、、、、。なのにちょっとした感情が原因で、教育を放棄してしまうなんて。何と浅はかな行為をしてしまったのだろうと。めちゃ後味が悪かったのです。カーネマンの実験で、もらえたはずの1000円のことを思って、感情で判断してしまった自分を後悔するのと同じ。いやもちろんそれ以上の後悔でした。 どうしたらいいんでしょう。カーネマンの実験の罠にはまらないためには、一度自分の置かれている状況を声に出して言ってみるとよいと言われています。あるいはヒトに相談するとか。または文字で書いてみるとか。トレーニングコースでむかついたとき、一呼吸おいて椅子にでも座り、そのときの状況を声に出して独り言を言ってみたら違ったかもしれません。あるいはほかのインストラクターに愚痴って共有し、アドバイスをもらったらよかったのかもしれません。そうやって自分の状況をクールに表現して、あるいはひとから言ってもらって冷静に認識すること。これを自己認識法というそうです。英語ではself awarenessといいます。Awareは冒頭に出した英語です。自己認識とは自分に気づくことなんです。もし皆さんも今週のどこかで、むかつくことがあったら、是非一回ためしてみてください。そして効果があったら、毎回続けて、カーネマンの実験にひっかからないようなひとになってください。わたしもがんばりますよ。じゃあ今週もよろしくお願いします。 院長 金平永二 記載