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月別アーカイブ: 11月 2015
娘の成長
こんにちは。手術看護科の前田です。 今年の2月に2人目を出産し、2歳と8ヶ月の女の子を育てています。最近、上の子が妹を気にかけてくれ、よく面倒をみてくれるようになってきました。私がしていることをよく見ているからか、真似をしてあやしたり、ミルクや離乳食を食べさせてくれます。まだ加減が分からず勢いよくスプーンを口の中にいれたり、危なっかしいところもありますが、自分が姉だと自覚してきたようです。 少し前まで赤ちゃんで私に甘えていたのに、子供の成長は早いなあと感じます。親の知らないうちに新しいことができたりもあっという間なので、成長を見逃さないように、子供といる時間をもっと大切にしていきたいと思います。
獏之浪語(11) 「自分を突き動かすもの」
ボンジョルノ! 今日も新しい仲間が二人増えてとても嬉しいです。よろしくお願いします。舛方さん(内視鏡部)の話も良かったですね。忘年会のときのダンス、プロ並みでしたもんね(笑) さて24年前、私はドイツのチュービンゲン大学に留学しました。当時世界の内視鏡外科ではトップを走っていたゲルハルト・ブエス先生に手術を習うためです。私がチュービンゲンに行ったとき、雷が落ちたかと思うようなショックを受けたことがあります。それは、ブエス先生のところの設備や規模です。行く前は、世界のトップはどんなに恵まれたところで仕事しているんだろうと期待していました。ところが行ってみたらなんと狭いラボひとつ。スタッフも若手がたった4人。動物実験施設もぎりぎりの設備と人材。予算も少ない中で、あの世界をリードする仕事を繰り出していたのです。金沢大学にいた私は自分の大学の研究設備や資金がものすごく恵まれていたことを初めて実感しました。 チュービンゲンのブエス先生やスタッフは、乏しい資源や設備の中でもあきらめませんでした。たとえば動物実験には多額の費用がかかります。ある日スタッフのひとり、マーク・シュアが言いました。「エイジ、費用を節約するために、と畜場へ行って新鮮な臓器をくりぬいて持ってきて、それをボックス内に固定すれば、動物実験と同じくらいの研究ができそうじゃないか。しかも一回につき何万円も節約できるぞ。」それから毎週月曜日の早朝は私たちのと畜場通いが始まったのです。その実験からは世界を唸らせたいくつもの成果が得られました。いまもときどき懐かしく思い出します。 話は変わりますが、いまTBSで下町ロケットやってますよね。見ている人います? (藤岡副院長を始め、10人くらいが手をあげました)これまた「倍返し」に勝るも劣らぬ面白い、池井戸潤さんらしいストーリーなんです。佃製作所っていう下町の小さな町工場が舞台です。どこにでもあるような小さな町工場だけど、社長も職員も夢をもっているんです。「おれたちの作った部品をロケットに使ってもらってそれを宇宙に飛ばしたい。」っていう夢です。 その工場に悪いことが重なって起きて倒産寸前まで追い込まれます。ライバル会社からの特許侵害裁判や、重要取引先の取引解消。赤字転落借金地獄でもう終わりかっていう時に、昔開発したバルブの特許が宇宙開発事業のロケットに必要だということが判明。日本トップの帝国重工っていう巨大な会社がその特許を20億で買いに来たのです。佃製作所は騒然となります。倒産の危機が救われる。当然だれもが20億に期待したのです。しかし特許を売ってしまえば、佃製作所の名前で作った部品が宇宙を飛ぶ夢が消えてしまう。夢を選ぶか現実を取るか。社長も会社も大きく揺れ動いているところで次回に続くです。 この小さい町工場が、大企業より先に宇宙開発事業で世界に通じる技術を開発したというのがすかっとします。なぜそんな偉業を果たせたか。すれは社長も社員もみな、小さい工場だからと言って自分たちに制限を設けていなかったことだと思います。夢をでっかく抱き、工場の規模や社会的評価などに縛られず、ひたすら情熱をもって夢を追いかけたから果たせたのだと思います。 チュービンゲン大学のブエス先生と、佃製作所の佃航平社長は私にはダブって見えます。そしてメディカルトピアにもそんな精神が息づいていることを実感しています。 最後になりましたが、今日の英語は、propelです。ひとを動かす原動力を表現する言葉にはいろいろありますが、わたしはこのpropelっていう英語が好きです。飛行機のプロペラは同じ言葉から来ています。「おれはその夢に突き動かされている。」っていうのは「I am propelled by the dream」って言います。強くpropelされるような夢を持ち続けたいと思っています。 院長 金平永二 記
わくわく!
内視鏡看護科の舛方です。 近年お祭りへ出向く機会が多くなり、その中でわくわくするお祭りと出会いました。草加で年に2回程開催されるよさこいのお祭りです。 昔JAZZ‐HIP HOPのダンスを習っていた私にとって、よさこいのイメージは盆踊りの延長で、私の好きな迫力やキレはないだろうと思い、興味が湧きませんでした。 しかし何チームか見ている中で、神奈川県平塚市にある「疾風乱舞」というチームの演舞に驚きました。疾風乱舞は中学生から大学生の女性のみのチームですが、彼女たちの生み出す世界観はまさしく「雅」。赤い番傘や扇子を使った色とりどりの華やかなステージ、そして舞台も端から端まで余すことなく使っており、ものすごい迫力でした。一人ひとりのキレと表情も素晴らしく、気づいたら見とれている私がいました。先日は池袋のお祭りで行われるコンテストにまで出向き、たくさんの観衆に埋もれながら彼女たちの演舞を観てきました。 この経験から、先入観だけで物事を決めるのは、いけないことだと改めて思いました。私生活だけでなく、仕事においても同じですが、最初嫌だなぁと思った仕事でも、真面目に取り組んでいたら、いつの間にか楽しくてのめり込めるような仕事があるかもしれません。どんなことでも先入観を持たず、広い視野で捉え、色々なことを感じ取り、経験し、成長していきたいと思います。
獏之浪語(10) 森の中に虎と毒蛇が
ボンジョルノ! 今日の英語は難しいですよ。聞きなれないと思いますが、avertです。藤岡副院長が良く言っているdiversity とか大学のuniversity という言葉と一部共通の語源をもっている言葉です。これはあとでまた話しましょう。 さて、私は高校の頃ものすごくネガティブな日々を過ごしていたという話をこないだしましたね。そのころから少し感じていたんですけど、人間ってどっちかっちゅうとネガティブ寄りにできているんじゃないかなって思うのです。 たとえばみなさん原始人になったと思ってください。子供が病気 になったので、それを治すために森の中にある薬草を取りに行きたい。でも森の中には虎や毒蛇がいるかもしれない。楽観主義っていうのは「んなもん、いるわけねえよ。いても出てこねえよ。なんとかなるよ。」ていう感じです。ネガティブな考えの人は「きっと森に入ったら虎にやられるか、毒蛇にかまれて死んでしまうに違いない」って考えるわけです。悲観的な人はそこまでで終わりかもしれません。でもポジティブ思考の人はどうかというと、まず悲観主義者と同じようにネガティブな考えを抱きますが、その後自分なら克服できるはずだと信じて、対策を立てるのです。長老に虎や毒蛇がどのあたりからよく出没するか、何時ころ活動するか教えてもらったり、毒蛇にかまれたとき効き目のある薬草と か、トラを追っ払えたひとがとった行動とか、、、可能な限り生き延びれる対策を準備して、勇気をもって森に入っていくのです。こうやって生存競争の淘汰を勝ち抜いてきた人間は、やはり脅威に対する準備としてネガティブ寄りにできていて自然だと感じていたのです。 先日見つけた本を読んでいて、びっくりしました。「人間はどちらかというとネガティブ寄りにできている」と書いてあったのです。おれと同じことを言っているやつがいる!と思いました。それは心理学者・山口まみさんの書いた「隠れネガティブを解消する本」です。詳しい内容は省略しますが、心理学的な側面から人間は元来ネガティブなんだと主張していて、自分の仮説を応援してくれる人が一人増えたと、嬉しくなりました。 また話は変わりますが、英国にリチャード・ワイズマンという面白い心理学者がいます。このひと20代は国際的に活躍するマジシャンだったんですよ。途中からマジックは人間の心理の隙につけこんで驚かすものだから、心理学を勉強したくなってマジシャンを辞めちゃって、心理学者になっちゃったんです。大規模調査や、長年の追跡調査をしつこく行うことで有名なひとです。ワイズマンがあるとき面白い調査をしました。年始に目標を立てた5000人を調査し、達成できた人とできなかったひとをさまざまな側面から比較したのです。結果は20%程度のひとしか達成できなかったんですが、その分析がまた興味深いんです。達成できなかった8割の人が、どんな考えを持っていたか、代表的なものがいくつかありましたが、今日はひとつだけ紹介します。それは、「ネガティブな考えから目を背けるタイプのひと」が、目標達成できなかったという分析結果です。これから起こるかもしれない悪い状況が頭をよぎりはするが、目をそむけてしまう。・・・・うーん、ありがちですよね。逆に目標を達成できた人はネガティブな考えから浮かび上がったリスクに対して、いろいろな対策を練ったり、準備をするタイプの人なのだそうです。さっきの森の中の虎と大蛇に立ち向かう準備をする考えに似てませんか。。。。 リスクから目を背ける、、、、の「目を背ける」を英語で言うときavert を使います。「リスクから目をそむけないで」は、Don’t avert your eyes from the risk. です。vert は、「方向」とか「向ける」みたいな意味を持っています。接頭辞のa は「離れて」です。藤岡副院長が好きな言葉のdiversity はもともと「分岐する方向」という意味です。そこから多様性という意味に使われます。今週はavertを是非覚えてください。そしてネガティブな想定を受け入れ、そこから目をavertしないで、ポジティブな行動につなげていってください。 院長 金平永二 記