腹圧性尿失禁について

これは、おなかに力が入った時に不意に尿が漏れてしまうタイプの尿失禁です。
たとえば咳、くしゃみ、ジャンプ、重いものを持ち上げるなどの動作で漏れを生じます。尿道周囲の支持機構の破綻や尿道そのものの機能低下が原因でおこり、女性ではもっともポピュラーな尿漏れのタイプです。

腹圧性尿失禁について

尿道周囲の支持機構の破綻や尿道そのものの機能低下は、おもに妊娠・出産・加齢で起きるのですが、肥満・慢性的な便秘や咳なども影響すると言われています。

妊娠・出産
妊娠・出産
肥満
肥満
慢性的な肥満
慢性的な便秘
慢性的な咳
慢性的な咳

腹圧性尿失禁の有病率

下のグラフは、各年代における女性の腹圧性尿失禁の有病率を示したものですが、50歳代をピークにかなりの高頻度で認めることがわかります。

腹圧性尿失禁の有病率
(Kondo A,et al:Neurourol Urodynam,9:330-331,1990を改変)

腹圧性尿失禁のメカニズム

冒頭で尿道周囲の支持機構の破綻や尿道そのものの機能低下が原因で起きると言いましたが、もう少し詳しく説明してみます。腹圧性尿失禁のメカニズムを理解するには、まずは尿を漏らさない(尿禁制)メカニズムを理解する必要があります。
下の図(尿道周辺の構造)で示すように、尿道は直接骨盤に固定されているわけではなく、筋膜を介して骨盤に固定されている膣の上にハンモックのように乗っています。

尿道周辺の構造

腹圧性尿失禁のメカニズム

腹圧がかかっても尿がもれないのは、肛門挙筋が収縮することにより筋膜・膣に緊張が加わり膣がピンと張るため、腹圧がかかっても膣が尿道のバックサポートとして働き、尿道がつぶれて内腔を閉じることができるからです。

腹圧性尿失禁のメカニズム

ではどうして腹圧性尿失禁が起きるのでしょうか?
主な原因として膣が尿道のバックサポートとしてうまく機能しないことが挙げられます。
出産などの影響で筋膜や肛門挙筋が損傷されると、肛門挙筋の収縮力は低下しますし膣の骨盤への固定も弱くなってしまうため、膣をピンと張らせることができなくなってしまいます。
腹圧が加わると尿道とともに膣も下がってしまいバックサポートがうまく機能せず尿道もつぶれません。
したがって尿がもれてしまうことになります。これが尿道周囲の支持機構の破綻による尿漏れです。

腹圧性尿失禁のメカニズム

その他にも尿道の血流低下やホルモン環境の悪化で尿道の内腔がスカスカになてしまい、膣のバックサポートが働いていても尿道が閉じきれず漏れてしまうこともあります。これが尿道そのものの機能低下による尿漏れです。

腹圧性尿失禁のメカニズム

外来でおこなう主な検査

1尿検査

血尿、炎症、の有無などをチェックします。

尿検査

2台上診

腹圧がかかった時の尿漏れの有無、程度、尿道の支持の状態、骨盤臓器脱の有無などをチェックします。

台上診

3MRI検査

腹圧がかかった時の尿道や膀胱の状態などを画像でも確認します。骨盤内病変の有無も確認できます。

MRI検査

4残尿測定

排尿障害による残尿の有無をチェックします。専用機器を下腹にあてるだけで残尿量がわかります。

残尿測定

腹圧性尿失禁の主な治療

腹圧性尿失禁のメカニズムから考えると、尿道のバックサポートを強化・再構築することが治療のポイントということになります。

肛門挙筋の筋力アップ

骨盤底筋体操

肛門挙筋の筋力トレーニングを行い、尿道のバックサポートを強化し ます。体に対する侵襲性が少ないものの、個人差はありますが効果が感じられるまで1-2か月ほどかかるとされ、根気よく続ける必要があります。

腹圧性尿失禁のおもな治療 骨盤底筋体操

手術で尿道のバックサートを再構築

尿スリング手術

尿道の裏側にメッシュテープを通して直接バックサポートを再構築する方法です。
効果が最も高く、手術の侵襲性も比較的低いため、もっとも行われている術式です。一般的にTOT/TVT手術と言われているものです。

腹圧性尿失禁のおもな治療 尿スリング手術

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